AI経営会議|五人の頭脳で、経営を考える。

AI経営会議は、どうやって人と出会うのか― 「相談する」から始まる、もう一つの入口

AI経営会議は、どうやって人と出会うのか― 「相談する」から始まる、もう一つの入口

2026年09月23日 10:56

前回、自分はなぜ「AI経営会議」という体制を選んだのかを書いた。

これまで一人で探してきた市場の空白を、AIとの分業によって、もう一度探しに行く。

そして、これからの空白の一つとして見えてきたのが、

「AIに正しく理解され、必要な人に見つけてもらえる存在になっているか」

という問題だった。

では、AI経営会議は、どうやってその先にいる人と出会うのか。

ここで考え始めたのが、

「きいてよAI」
**「まかせたAI」**だった。

ただし、この二つは同じものではない。

そして、どちらも単純な「AI相談サービス」を作ろうとしているわけではない。


まずは「きいてよAI」から

人には、誰かに相談したいことがある。

経営者なら、

「このサービスを続けていいのか」

「ホームページを作ったけれど、なぜ問い合わせが来ないのか」

「求人を出しているけれど、人が集まらない」

「Googleではどう見られているのか」

「そもそも、今やろうとしていることは間違っていないのか」

そんな問いがある。

でも、こうした問題は、検索窓に一言入れれば答えが出てくるものばかりではない。

状況を説明しなければならない。

背景も必要になる。

そして何より、自分自身が問題を整理できていないこともある。

そこで考えたのが、**「きいてよAI」**だ。


「一人で考える前に、持ってきてもらう」

きいてよAIは、AIに何でも質問できるサービスを作ろうというものではない。

むしろ、その逆だ。

一人で考え続ける前に、一度AI経営会議に持ってきてもらう。

そんな入口を作りたいと考えている。

相談料は、2,000円程度。

まず、話を聞く。

その人が何に困っているのか。

何を実現したいのか。

何が引っかかっているのか。

本人がまだ言葉にできていない部分も含めて、状況を整理する。

そして、その相談をAI経営会議に持ち込む。


一人のAIではなく、複数の視点で考える

AI経営会議には、それぞれ違う役割がある。

ブランドや言葉を見る視点。

構造や仕組みを見る視点。

Googleや検索、データを見る視点。

一つの相談に対して、それぞれの視点から考える。

もちろん、全員が同じ答えになるとは限らない。

むしろ、違う意見が出ることに意味がある。

「それは本当に問題なのか」

「別の原因があるのではないか」

「そもそも、その方法でいいのか」

そうやって一度ばらして考える。

そして最後に、人間が整理して一本化する。

相談した人に返すのは、AIそれぞれの意見をそのまま並べたものではない。

AI経営会議として考えた結果を、一つの回答として返す。

これが「きいてよAI」の基本的な考え方だ。


相談の答えを売るのではなく、次の一歩を一緒に考える

ここで重要なのは、きいてよAIを「相談に答える商品」にしないことだ。

相談して、

「はい、答えはこれです」

で終わってしまえば、普通のAI相談と大きく変わらない。

AI経営会議が目指しているのは、その先だ。

相談をきっかけに、その人の状況を理解する。

何が本当の課題なのかを考える。

そして、必要であれば、今あるサービスや仕組みにつなげていく。

例えば、ホームページの問題なら「まかせてDX」。

採用の問題なら「まかせて採用」。

電話対応の問題なら「DX Phone」。

ただし、最初から商品を売るために相談を受けるわけではない。

先に問題を理解する。

その結果として、必要なものがあれば紹介する。

そこに順番の違いがある。


もう一つの可能性。「まかせたAI」

そして、もう一つ考えているものがある。

それが、**「まかせたAI」**だ。

ただし、ここは「きいてよAI」と同じように説明してはいけない。

きいてよAIは、現在提供できる入口として考えている。

一方、まかせたAIは、まだ完成したサービスではない。

今考えているのは、

「相談する」のではなく、「考えることそのものをAI経営会議に任せる」

という形だ。

例えば、

「この会社の状況を整理してほしい」

「今抱えている問題を洗い出してほしい」

「何から考えればいいのか分からないので、一度整理してほしい」

そんなところまでAI経営会議に持ち込めないか。

その可能性を考えている。


ただし、まだ分からないことがある

ここは、AI経営会議として大切にしたいところだ。

まかせたAIは、まだ実証できていない。

実際に人から相談を受け、それを複数のAIで議論し、どこまで実用的なものになるのか。

まだ検証する必要がある。

例えば、

  • 複数人で実際にAI経営会議を動かした場合、どのような結果になるのか

  • 5名程度の試験会議で、実用性を確認できるのか

  • 画面共有などを使って、相談者と一緒に進めることができるのか

  • どのような形で議論を記録するのがよいのか

  • 最終的な回答を、どのように相談者へ返すのか

こうしたことは、これから検証していく課題だ。

だから、今の段階で「まかせたAIはこういうサービスです」と完成形を語るつもりはない。

まず試してみる。

その結果を見て、できることとできないことを整理する。

それがAI経営会議の考え方だ。


「事実を大切にする」ということ

AI経営会議には、いくつかの原則がある。

その中に、

「事実を大切にする」

というものがある。

これは、サービスについても同じだ。

まだ試していないものを、できると言わない。

まだ分からないことを、分かったふりをしない。

うまくいくかもしれない。

でも、うまくいかないかもしれない。

だから、まず検証する。

これは、AIを使ったサービスだからこそ、より大切なことだと思っている。

AIは、それらしい答えを出す。

だからこそ、人間側が、

「それは本当に確認したことなのか?」

と問い続けなければならない。


AI経営会議が探している「出会い方」

では、結局AI経営会議は何を売るのか。

今の段階では、そこを決めることが目的ではない。

むしろ考えているのは、

「どうやって人と出会うのか」

ということだ。

ホームページを作って、問い合わせを待つ。

広告を出して、人を集める。

営業をして、サービスを説明する。

もちろん、そういう方法もある。

でも、それだけではなく、

「ちょっと聞いてみたい」

「自分の状況を整理してほしい」

「一人で考えるのに疲れた」

そんなところから、AI経営会議と出会う方法があってもいい。

その入口が、きいてよAIになる。

そして、その先に、まかせたAIという可能性がある。


「売る」より先に「知る」

これまでの事業では、商品を作って、それを必要としている人を探してきた。

しかし、AI経営会議では少し順番を変えてみたい。

先に人と出会う。

話を聞く。

その人が何に困っているのかを知る。

AI経営会議で考える。

その結果、必要なサービスがあれば提案する。

必要なければ、無理に売らない。

この順番なら、AI経営会議そのものが、単なる営業窓口ではなくなる。

人の悩みや経営課題が集まり、それを考える場所。

そこから新しいサービスが生まれる可能性もある。


「もう一つの空白」は、人とAIの間にある

第2回で書いたように、今の市場には「情報の空白」がある。

企業は情報を発信している。

AIはその情報を拾う。

人はAIに質問する。

その間に、まだ見えていない空白がある。

でも、もう一つ空白があるのではないか。

それは、

「人が困っていること」と「AIに質問できること」の間にある空白だ。

本人は何に困っているのか、まだ分からない。

検索する言葉も分からない。

AIに何を聞けばいいのかも分からない。

だからこそ、

「まず、きいてみる」

という入口が必要になる。

AI経営会議は、その入口になれるかもしれない。


まだ、答えは出ていない

きいてよAIは、実際に提供できる入口として始める。

まかせたAIは、これから検証する。

そして、その先に何があるのかは、まだ分からない。

もしかすると、今考えている形とは違うものになるかもしれない。

それでもいいと思っている。

AI経営会議は、最初から完成されたサービスを作って、それを売るために始めたものではないからだ。

考えて、試して、確かめる。

うまくいけば残す。

うまくいかなければ変える。

必要なら、やめる。

そして、その過程を記録する。


人と出会うところから、経営は始まる

AI経営会議が目指しているのは、AIだけで完結する世界ではない。

むしろ、人とAIが出会う場所を作ることだ。

「ちょっと聞いてみたい」

その小さな相談を受ける。

一人では整理できなかったことを、一緒に考える。

複数の視点で考えてみる。

必要なら、その先のサービスにつなげる。

そして、また新しい課題に出会う。

そうやって、人との出会いからAI経営会議自身も学んでいく。

きいてよAIは、その最初の入口。

まかせたAIは、その先にある可能性。

まだ分からないことは、これから検証する。

だから今は、完成形を語るより、

「人と出会い、話を聞き、考える場所をどう作るか」

から始めてみたい。

AI経営会議は、そんな場所になれるのか。

その答えもまた、これから記録していく。