
○○商工会FAXDMの実証実験― 記録の途中経過
2026年09月27日 19:26
ここまで、AI経営会議について書いてきた。
第2回では、なぜ自分がAI経営会議という体制を選んだのか。
第3回では、AI経営会議がどうやって人と出会うのか。
第4回では、チャッピー、クロ、ジェミ、そして相談者を含めた「五人で考える」という仕組みについて書いた。
第5回では、その土台となる「憲法七カ条」を紹介した。
今回は、少し話を変えたい。
理念でもない。
仕組みの説明でもない。
実際に、AI経営会議で考えたことを試してみた記録だ。
ただし、この記事を書いている時点では、まだ結果は出ていない。
だから今回は、成功事例として紹介する記事ではない。
実証実験の途中経過を、そのまま記録する記事である。
商工会を「顧客」ではなく「情報提供の窓口」と考える
今回試しているのは、商工会へのFAXDMだ。
ただし、最初から商工会にDX Phoneを導入してもらおうと考えたわけではない。
ここが今回の実験で、これまでとは少し違うところだ。
商工会そのものを顧客として見るのではなく、
「会員事業者に情報を届けてもらうための窓口」
として考えてみた。
商工会には、多くの地域事業者が所属している。
その会員事業者の中には、
「電話対応に人を取られている」
「人手不足で困っている」
「営業電話や長電話で仕事が止まる」
「電話対応の負担が大きい」
といった悩みを抱えている事業者もいるかもしれない。
そうした事業者に対して、
「電話対応をDX化するという選択肢があります」
という情報を届けてもらう。
そのための方法を、商工会と相談していく。
それが今回の考え方だ。
なぜ商工会なのか
これまで、自分はサービスを必要としている事業者を直接探してきた。
でも、今回は少し違う。
一社一社に直接営業するのではなく、
「その地域の事業者に情報を届ける場所」
に相談してみる。
商工会には、会員向けのさまざまな情報提供の方法がある。
例えば、
チラシの同封。
会報などへの掲載。
窓口への設置。
メールなどによる情報提供。
セミナーや説明会。
もちろん、すべての商工会で同じ方法が使えるわけではない。
だからこそ、
「こういう方法はできますか?」
と、まず聞いてみる。
今回の実験は、単にFAXを送って反応を見るだけではない。
「商工会を通じて、会員事業者に情報を届ける」という方法そのものが成立するのかを確かめる実験でもある。
まずは20件で試す
いきなり全国の商工会に送ることはしなかった。
まず、20件に絞った。
小さく試す。
そして、その結果を見てから次を考える。
これは、今回に限ったことではない。
自分はこれまでも、新しいことを始めるときには、まず実際に動かしてみることを大切にしてきた。
最初から完璧な答えを出そうとするより、
仮説を立てる。
小さく試す。
結果を見る。
次を決める。
その方が、現実に近い答えにたどり着けるからだ。
今回も同じだ。
実際に送ってみた
そして、今回の20件へのFAXDMを実施した。
結果として、
20件中19件が送信完了。
1件は通信エラー。
これが、現時点で確認できている実行結果だ。
ただし、
「19件送れたから成功した」
という話ではない。
FAXが届いたことと、相手が内容を読んだことは同じではない。
読んだことと、興味を持ったことも同じではない。
興味を持ったことと、連絡をくれることも違う。
だから、今の段階で評価をすることはできない。
今回、事前に決めていたこと
今回の実験では、送る前に一つの判断基準を決めていた。
「1件でも連絡があれば、次の展開を検討する」
というものだ。
ここが重要だった。
結果を見てから、
「このくらいなら成功」
「やっぱりダメだった」
と都合よく基準を変えないためだ。
先に基準を決めておく。
そして、その基準に照らして次の判断をする。
もちろん、「1件の連絡」があったからといって、全国展開が決定するわけではない。
その連絡の内容を見る必要がある。
どんな問い合わせだったのか。
何に反応したのか。
商工会側はどう受け止めたのか。
会員事業者への情報提供につながる可能性があるのか。
そうしたことを確認した上で、次を考える。
だから、
1件の連絡があれば「次の検討に進む」。
そのくらいの意味で、この基準を置いている。
なぜ結果が出る前に記事にするのか
普通なら、結果が出てから記事を書く。
成功した。
問い合わせが来た。
全国展開した。
そうなったところで、「こんな実験をしました」と紹介する。
その方が、記事としては書きやすい。
でも、それではAI経営会議の第七条、
「記録を未来へ残す」
という考え方と少し違ってしまう。
第七条では、
「議論・決定・学びを記録し、ナレッジとして蓄積する」
ことを掲げている。
だったら、結果だけではなく、
結果が出るまでの過程も残した方がいい。
そう考えた。
事業では、成功したことだけを記録しがちだ。
でも、
「なぜ、その実験を始めたのか」
「何を仮説として考えたのか」
「なぜ20件にしたのか」
「どこを判断基準にしたのか」
という過程も、次の判断に使える。
今回も、結果が出た時点で改めて記録すればいい。
だから今は、今の時点で分かっていることを残しておく。
事実と推測を分ける
ここは、今回の実験で特に意識しているところだ。
AI経営会議の憲章には、
第四条「事実を大切にする」
がある。
だから、確認できていることと、まだ分からないことを分ける。
今回、事実として確認できているのは、
20件に送った。
19件は送信完了した。
1件は通信エラーだった。
ここまでだ。
一方で、
「商工会が興味を持った」
「会員事業者に情報提供してくれる」
「全国展開できる」
ということは、まだ確認できていない。
そして、この記事を書いている時点では、
反応があるかどうかも確定していない。
問い合わせが来るかもしれない。
来ないかもしれない。
今後、何らかの反応があるかもしれない。
それもまだ分からない。
だから、
「商工会へのFAXDMは効果があった」
とも言わない。
逆に、
「反応がなかった」
とも言わない。
今は観察中。
それが、現時点での正確な答えだ。
小さな実験だからこそ、次の判断ができる
今回の20件は、全国規模の大きな実験ではない。
だからこそ、結果を見てから考えられる。
もし連絡があれば、その内容を見る。
商工会から情報提供の相談があれば、具体的な方法を話し合う。
そして、その方法が他の地域でも使える可能性があるのかを考える。
逆に、まったく反応がなければ、
「なぜ届かなかったのか」
を考える。
FAXDMそのものが問題だったのか。
伝え方だったのか。
商工会という窓口が違ったのか。
そもそも会員事業者への情報提供という考え方に需要がないのか。
そこまで分けて考える必要がある。
だから、今回の結果は「成功」か「失敗」かだけでは終わらない。
次の仮説を作るための材料になる。
AI経営会議は、実験の結果からも学ぶ
AI経営会議では、会議の中で考えるだけではない。
実際に世の中へ出してみる。
そして、現実から返ってきた反応を見る。
その結果を、またAI経営会議に持ち込む。
「こういう反応だった」
「こういう問い合わせだった」
「こういうところで止まった」
「こういう反応はなかった」
それを材料に、次のことを考える。
つまり、
考える → 試す → 記録する → また考える。
この循環そのものが、AI経営会議の実践になる。
今回の実験は、まだ途中にある
2026年9月17日に送信し、この記事を書いている9月27日時点では、まだ連絡は届いていない。
だから、今回は結論を出さない。
「商工会への情報提供という方法が有効だったのか」
「DX Phoneという情報が商工会に必要とされたのか」
「この方法を全国に広げられるのか」
それは、これから分かる。
もし1件でも連絡があれば、その内容を確認して次の展開を検討する。
もし連絡がなければ、それも一つの結果として記録する。
どちらになっても、次の判断材料になる。
記録することも、実証実験の一部
今回、結果が出る前から記事にしたのは、成功談を作りたかったからではない。
結果が良かったものだけを記録するのではなく、進行中の過程そのものを残す。
それが、第七条「記録を未来へ残す」の実践だと考えている。
20件に送った。
19件は送信完了。
1件は通信エラー。
そして今、反応を待っている。
「1件でも連絡があれば、次の展開を検討する。」
そこまでを事前に決めて、あとは事実を見る。
結果が出たら、その結果もまた記録する。
考えて、試して、事実を確認して、次を決める。
今回の実証実験も、その過程そのものをAI経営会議の記録として残していく。
